多様性を考える
多様性を考える場合には、「他人の身になって考えてみる」ことが基本になると思っています。ときに、自分で考えたことや、信じていることなどに対する異なる意見や、反対の意見に出くわした場合には、他者の視点で物事を考えてみるのが難しくなる状況もあるでしょう。ともすれば、慎重に仲間を選び、同じ意見の者同士や、自分に心地よい集団の中に身を置く方が、安心感を得られますし、共感すら覚えることもできます。しかし、同じ考えの集団に身を置くばかりでは、多様性に気が付くことはできません。そうなれば、自分自身の訂正や、新たな自分の発見の機会を失うことにもなり得ます。さらに、大衆の中に身を置く場合にも注意が必要です。自分は、大勢の中のひとりなのだから、意見を述べてもなんの得にもならない。そもそも、自分の意見を持ってなんの意味があるのだろうか。そんな煩わしい思いをするのなら、他の誰かに決めてもらい、それに従っていた方が楽なのではないか。多くの人がこの状況に陥る社会を今一度、想像してみる必要もありそうです。自分と異なった視点を持つ周囲の人の力を借りながら、新たな自分を発見する。それこそが、多様性の時代に生きるわたしたちの特権なのではないでしょうか。
私たちは、議論を勝ち負けのものさしで判断してしまうことがあります。意見の中の弱点や、知識の間違えにフォーカスして、戦いを挑む傾向もあります。ネット上での誹謗中傷や、論破目的の不毛な論争なども一例でしょうか。わたしたち弘善会グループ職員は、互いや、さまざまな方の意見を尊重し、議論を深めることによって、多様性と真摯に向き合っていく所存です。
いつも、当法人を暖かく見守り、ご支援をいただいている皆様方に、心より感謝申し上げます。今後とも、変わらぬご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
